
“石膏ボード”壁ってどんな壁?性質とDIYアレンジ
特集豆知識壁に何かを取り付けるDIY、できる場所とできない場所があること知っていましたか?
多くの住宅に採用されているけど、扱いが難しい!?石膏ボードについてご紹介!
石膏ボード壁って、木の壁とはどう違うの?
石膏ボード壁

マンションや建売住宅など、(特に新しい物件に多い)一般的な住宅によくみられる壁。お財布にやさしい。
木壁

おしゃれなこだわり物件や、DIY物件にもよく見られる木の板が張られた壁。木材の種類によって価格はピンキリだけど、とってもおしゃれ。
石膏ボードは焼いた石膏(硫酸カルシウムを主成分とする鉱物)を水と混ぜ、板状に加工したもの。
ボードを壁に設置した後、クロス(壁紙)を貼ってきれいな仕上がりに加工するのが一般的な使用方法です。
カッターなどで切断可能なくらい加工がしやすい上に、遮音性や耐火性に優れているため、お家の壁や天井などに幅広く用いられています。
※「木造建築」であっても「枠」が木製で、壁や天井は「石膏ボード」という場合・・とっても多いです!
石膏ボード壁には“下地”がある!壁下の仕組み
「石膏ボード」は石膏の“粉”を“水”で固めたもの。
木板と比べると当然、衝撃に弱い側面も。
(反抗期・・壁に怒りをぶつけてクレーターを創造した方、お引越しの際などの家具搬入出に失敗し階段壁に大穴を空けた方、それです😢)
エアコンや手すり等、お家の初期設備を含める家具の設置に「石膏ボード」は特殊な処置が必要不可欠!

● 石膏ボード壁 内側の仕組み

基本的には、この「柱(間柱/胴縁)」や「下地」がある場所に「エアコン」「手すり」など住宅の初期設備家具/家電を取り付けます。
“下地”は、柱や間柱、胴縁などに設置されます。参考画像ではほぼ全面に下地がはられていますが、実際には必要部分だけに・・なんてことも。石膏ボードは一番最後(上層)に取り付けられます。参考画像では上下に何もはられていない部分がありますが、実際には上から下までキッチリと石膏ボードがはられます。
※柱などは住宅の構造上必要な物ですが、下地は何かを取り付けすることを前提として、そのために設置するものです。
※エアコンなどの場合、初期には取り付けされていない場合でも「つけるだろう」と想定して下地が入っている事があります。(大体お決まりの場所がある為)
石膏ボード壁DIYで出来る事、出来ないこと
ご覧いただいた通り、石膏ボードの下は、「はじめから何かの取り付けを想定している場所=下地部分」と「柱(間柱)」などの構造を支える部分以外は“空洞”になるのです!
ということは・・・・・・・・
「衝撃に弱い素材」+「空洞」=ビス留めなんてできるはずもなく・・・・涙
簡単なものだからいいや!と、下地や柱のない場所に直接棚受けなどをビスで取り付けると、思わぬ大ダメージを負うことも。
しかし、そんな場所にもDIYが全くできないというわけではありません。
しっかりと下準備をすれば石膏ボードのみの壁であっても、色々なDIYアレンジができるようになるんです!
石膏ボードにDIYをするなら ~ビス編~

● 石膏ボードアンカーを使用する
「石膏ボードアンカー」はその名の通り、石膏ボードに引っ掛けることでビスが留まるようにするためのアイテムです。
外側が石膏ボードにしっかりと食い込むように設計されていて、その内側の穴の部分にビスを留めることで、木板に取り付けするのと同じようにガッチリと留まるように補助します。
石膏ボードにDIYをするなら ~ピン編~

● 石膏ボード専用「ピン」アイテムを使用する
フック専用タイプから、棚受けなども取り付けられる万能タイプ、果てには「下地」を石膏ボードの上から張り付けちゃう(!?)タイプまで。個性豊か&傷が小さく済むことが特徴の注目アイテムです。
ビスとピンのメリット&デメリット
ビスで留める(ボードアンカー)

● ビスで留めるメリット
- ・使えるアイテムの幅が広い
- ・土台が上物に干渉しないのでキレイ
- ・作業が少なくて簡単
● ビスで留めるデメリット
- ・鉛筆の太さ位の穴があく
- ・賃貸には不向き
ピンで留める

● ピンで留めるメリット
- ・傷跡が小さくて目立たない
- ・賃貸でもDIYできる可能性がある
- ・意外と重みにも耐えられる
● ピンで留めるデメリット
- ・土台がどうしても目立つ
- ・人がよく触る場所には使えない
ビスで留めるタイプの圧倒的利点は、やはり使えるアイテムの幅が広い所。石膏ボード用じゃなくても、「ビス留め」が出来るアイテムなら何でも使えるので自由度が高い!
ピンで留めるタイプの圧倒的利点は、傷跡がとにかく小さい所。複数点穴があいてしまいますが、それぞれ画鋲程度の穴なので、ポスターとか時計とか付ける画鋲程度の穴ならいいよ~と言われている物件であれば、賃貸でも・・・。傷自体、ホームセンターで購入できるパテなんかでちょっと埋めれば全然わからなくなったりも・・・。
ただし、注意しなくてはいけない点は、「ピンタイプ」は上からかかる荷重には強いけど、引っ張る力には弱い所!!「手すり」など、人体に関わる場所への利用には不向きなので、用途に合わせてよくご確認下さい。
“石膏ボード用”アイテムは「下地/柱」が“無い”場所専用
「石膏ボード用アイテム」は下地や柱(間柱)が無い“空洞”部分に使うことを前提としたアイテムです。
なぜなら、下地や柱(間柱)がある部分には普通にビス留めが出来るから!(はじめから何かを取り付ける事が分かっている場所には“下地”を作っておくように)
● 下地/柱(間柱)があるのか確認しよう
下地を探すには、12mm以上長さのある「画鋲」や、市販の「下地探し」、専用センサーなどのどれかが必要です。(画鋲や市販の下地探しは針を直接石膏ボードに刺して使用します。センサータイプの物は、壁にかざして音が鳴る場所を見分けて使用します。センサータイプは石膏ボードに傷がつかず、針系のタイプは安価で簡単です。)
下地/柱(間柱)が「ある」

ピンや下地探しが“刺さらない”場所には、下地や柱(間柱)が“ある”
下地/柱(間柱)が「ない」

ピンや下地探しが“刺さる”場所には、下地や柱(間柱)が“ない”
● 下地や柱(間柱)を発見!どうしたらいいの?
下地や柱(間柱)を発見した場合、ボードアンカーやピン系の商品は使用せずに、普通通りビス留めが可能です。
ピンは、すご~~~~く頑張れば刺せないこともないですが、当然ながらとても硬いので、ピン自体が曲がってしまったりなど・・破損や怪我につながる可能性があり、おすすめはできません。
※ボードアンカーに至っては“使用できない”ので要注意です。
ボードアンカーほどの傷が出来てもOKな人は、ボードアンカーを使うという工程が一つ減ってラッキーということで、そのままビス留めをしてください。
小さい傷以外は嫌なので、ピンタイプが良かった!という人は、その場所は諦めて下地や柱(間柱)が無い場所で再トライしてみてください!
● 後から下地を作るより、ボードアンカーなどを使った方が良いのはどうして?
既に石膏ボードを設置してある場所に、新しく下地をつけ足そうと思うと非常に難しい作業が伴います。(付け足したい部分に小さな穴をあけ、下地を埋め込んだ後にパテ埋めなどをして、クロス(壁紙)を貼り替えるなど)
階段や廊下に手すりを後付けするなど、何かを後付けするような作業は、プロであってもボードアンカーを活用した施工や、既存の柱(間柱)を利用した施工が主流です。
石膏ボードをまるまる外して下地を取り付けるって出来るの?と思った方、これは本当に難しい作業になるのでおすすめ致しません。(クロス(壁紙)を剥がし、パテ埋めされた場所からビスを探し出し、お部屋の壁から上下のあしらいを取り外し、ドでかい石膏ボードを外してようやく作業するイメージです。ゾッとしますね)
まとめ
● 石膏ボードとは
焼いた石膏(硫酸カルシウムを主成分とする鉱物)を水と混ぜ、板状に加工したもの。
● 石膏ボードと木壁は何が違う
石膏ボード | 木壁 | |
---|---|---|
価格 | 比較的安価 | ものによっては高価 |
遮音性 | 〇 重ねるほど遮音性は高くなる | △ 遮音性は劣るが吸音性は高い |
耐火性 | ◎ 結晶水が含まれているため 放出されてしまうまでは 一定温度以上にならない | 〇 実は大きく太い木は 熱伝導のスピードがゆっくり なため、表面だけが燃えて 強度自体は低下しにくい |
● 石膏ボードにDIYは可能?
柱(間柱)/下地がある | 柱(間柱)/下地がない |
---|---|
◎ 特別な道具なしでOK。 普通にビス留めが可能 | 〇 ボードアンカーまたは 専用のピンタイプ製品を 活用したら可能 |
● ボードアンカーとピンタイプどちらがおすすめ?
ボードアンカー | 専用ピンタイプ | |
---|---|---|
傷跡 | 鉛筆の軸くらい | 画鋲の穴くらい |
取付物の バリエーション | ビスで留める商品 なら何でもOK | はじめからセットに なったフックが主流。 色々取り付けられる タイプもある |
仕上がり | ボードアンカーは 隠れるのでキレイ | ピンを留める土台が 露出している物も 多い |
賃貸物件 | × DIY可! とかでない限り微妙 | △~○ 画鋲穴程度OKであれば! |
他にもご不明点や疑問などあれば、ぜひぜひご相談ください☺
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